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2008年12月 9日 (火)

東京(京都展からshop btf展の流れで思う事)

子供の頃、関西に住む僕が
「東京」というものを具体的に意識したのは
怪獣映画に出てくる東京タワーだった。

それは本物の東京タワーではなく
ミニチュアセットに建てられた
模型の東京タワーだったのだけれど、
「現実味が無い」という意味においては
実物でも模型でもたいした違いはなかった。

「怪人」は郊外の採石場や造成地に現れ、
「怪獣」は東京の観光地に集まってくる。

それが子供の頃に夢中になった世界での様式美だった。

   ★     ★     ★

二十歳過ぎの頃、学校を出て最初に就職したのは東京だった。

当時は、生まれ育った関西から
ずいぶん離れた所に来ている、という意識が強かった。

それはカミロボ発表後、頻繁に
京都と東京を往復するようになってから感じる距離感とは
全く違っていた。

   ★     ★     ★

カミロボを発表した当初も
「東京」は僕にとって現実味のない場所だった。

その頃の僕は、今思うと
石をひっくり返されて戸惑っているダンゴムシのようだった、と思う。

その状況は自分が望んでそうしたものではあったのだけど、
明らかに身の丈に合ってないと思われる出来事や、
自分の感覚とは別の価値観だと思われる出来事が次々と起こる中では
漠然とした不安が常につきまとった。

そんな中で思うモヤモヤ感を
言葉に出来るような技術は僕には無かったし、
そんな状況のすべてを受け入れて
楽しんでしまえるような精神も持ち合わせてはいなかった。

   ★     ★     ★

この11月、京都で展覧会をした。

今回は自分自身のモノ作りにとって、
「今まで」と「これから」を繋ぐ大きなポイントになったと思う。

それはこの夏以降の出来事や気持ちの変化など、
様々な要因が重なって
必然的に導き出された方向だったのだろう。

そして、そのポイントを
自分が今住んでいる京都で迎えた事にも意味があったと思う。

そして再び迎えた東京での展示。

搬入で東京へ向かう新幹線の中、僕は
「結局、自分は自分なのだ」と当たり前の事を思った。

   ★     ★     ★

今の僕が見ている東京の印象は、昔と変わらず
「今にも怪獣の着ぐるみが出てきそうな街」だ。

普通の倉庫のエレベーターを上がっていくと
こんな空間(Shop btf ) がドーン!と広がっているような
虚実入り交じった「特撮みたいな街」だ。

僕は搬入を済ませた後、
東京タワーに行ってみる事にした。

このタイミングで東京タワーに行ってみよう。

自分が「東京」とどういう風に関わっていくのかを見つめ直すために、
このタイミングで「東京タワー」という ” おもちゃ ” で遊んでみよう。

そんなわけで、僕は芝公園までアホみたいな写真を撮りに行った。

   ★     ★     ★

写真を撮りながら僕は
映画で見た怪獣たちの事を思い出していた。

ヤツらは何で東京タワーをブッ壊したのだろうか?

アウェーの地で心細くなって攻撃的になったのだろうか?

楽しい気分で東京とハグしたかっただけなのだろうか?

いろんな感情が渦巻いてついついやっちまったのかもしれないな…

そんな事を思いながら僕はアホみたいな写真を撮った。

 

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